枕草子~雨のうちはへ降るころ~(2)


~前回のあらすじ~

雨が降り続く日、帝の使いとして式部丞信経がきました。座布団をネタに私がダジャレを言ったのに信経は軽くあしらってくるのでした。ぷんすかぷん。


さて、本日は晴天なり。(笑)

その代わり、花粉が・・・。

でもまだそんなにひどくないかなぁ。ちょっと喉がかゆいけれども。

まあ、雨は止みましたが続きにいきます。


【現代語訳】
私は「以前、村上天皇の中宮安子様のもとに“いぬたき”という名高い下女がいました。
美濃の守として亡くなった藤原時柄が蔵人だった時に、下女たちがいる所に立ち寄って、
『これがあの名高い“いぬたき”か。どうして“犬抱き”らしく見えないのか』とおっしゃった、
その返事に『それはあなたが“時柄”という名であるだけに、“時がら”によってそう見えるのでしょう』と言ったそうで、
『言葉遊びの相手に選んだ者でも、こんな見事なやり取りはなかなかできるものではない』
と、上達部や殿上人まで興のあることとしてお話になったそうです。
これまたその通り、秀句だったのでしょう。今日までこのように言い伝えているということは」と申し上げた。 <続く>


ということで、ダジャレが上達部にまで高く評価された事例をあげます。

前回の「氈褥/洗足」を評価されなかったのでムキになっているのです。笑

これに対して信経がどう受け答えるのかな、ってことで。

それは次回の最終回をお楽しみに、ですね。 


【原文】
「はやう、中后の宮にゑぬたきといひて名高き下仕なんありける。
美濃の守にてうせにける藤原時柄が、蔵人なりけるをりに、下仕どものある所にたちよりて、
『これやこの高名のゑぬたき、などさしも見えぬ』と言ひ給ひける、
いらへに『それは、時がらにさも見ゆるならん』と言ひたりけるなん、
『かたきに選りても、さることはいかでかあらん』
と、上達部、殿上人まで興あることにのたまひける。
またさりけるなめり。今日までかく言ひ伝ふるは」と聞こえたり。

 

枕草子~雨のうちはへ降るころ~(1)][ 枕草子~雨のうちはへ降るころ~(3)

 

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