徒然草~女の色香~


【原文】
世の人の心まどはす事、色欲にはしかず。人の心は愚かなるものかな。
匂ひなどは仮のものなるに、しばらく衣裳に薫き物すと知りながら、
えならぬ匂ひにはかならず心ときめきするものなり。
久米の仙人の、物洗ふ女の脛の白きを見て、通を失ひけんは、
まことに手足、はだへなどの、清らに肥え脂づきたらんは、
外の色ならねばさもあらんかし。


【語釈】
◯「久米の仙人」
大和の国にいたという伝説の人物。ドラゴンボールで言うところの舞空術を会得していたという。

◯「通を失ひけんは」
「通」は神通力のこと。ここではもちろん空を飛ぶ術のこと。助動詞「けん」は過去の伝聞を表す。


【現代語訳】
世の人の心を惑わすことといったら、性欲以上のものはない。人の心は愚かなものよ。
良い香りなどは仮のものであるのに、しばらく衣裳に香を焚きしめたものであると知っていながら、
言いようもない香りには必ず胸がときめくものである。
久米の仙人が、洗濯をしている女の白いふくらはぎを見て神通力を失い、空から落ちたとかいうのは、
本当に女性の手足や肌などが、美しくふっくらと肉づきのよいのは
外の誘惑の類とは違うのだから無理もないことだよ。


これは『徒然草』の第8段です。

学校でやったことがあるようなないような・・・。

しっかりとは覚えていませんが。

今日は折しもAKBの一部メンバーがGoogle+で女性の体型について話していました。


■大家志津香

男の人はたいてい

女の子は肉好きあるくらいがいいって言うけど

実際は結局みんな細い子が好きやん

って思う

■倉持明日香

しちゃんの投稿に同感!
よくぞ書いてくれた!!!

私のお母さんも、女の子はちょっとお肉があるくらいがいいって言ってたけど
結局はみんな、痩せてる子が好きなんです。


というやりとりをしていて、ここからかなり盛り上がっていました。

まあ、好みは人それぞれだし、理想も人それぞれでいいと思うんですけど。

でもやっぱり兼好法師が書いている感じに近い男性の方が多い気がします。

コメント欄もだいたいそうでしたね。

そして2人がそんな投稿をしているころ、うちの夏海ちゃんは。


■松原夏海

ただいま帰宅中(^^)

お腹いっぱいで胃もたれ(笑)


我が道を行く、ねこまっしぐらな感じ。笑

まあ、この人もよく「痩せたい」って言って僕を困らせるんですけどね。笑

脚やせしたい、が口癖みたいなもんで。最近は言わなくなってきましたが。

あと、兼好法師が書いていることでいえば「香り」に関しても同感ですね。

香りって大事ですよね。

人工的なものであることは百も承知ですが、確かに心が動きます。

まあそんなわけで、身近でちょっと砕けた話をお届けしました。

 

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Posted in 古文

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