源氏物語~帚木~(28)


お忍びで方違えする女性のお屋敷はきっとたくさんあるはずですが、

大臣殿が「久しぶりにお出でになったのに、方違えで他の女性の所へ行かれるとは」とお思いになるのも気の毒だ、

と光る君はお考えになったのでしょう、紀伊の守に方違えで出向く件をお問い合わせなさると、

紀伊の守は承知したものの、退いて、

「伊予の守殿の家で物忌みがございまして、その家に仕える女房らが私の邸に来ておりまして、

狭い家ですから、光る君様に失礼な気がします」

と、あとで愚痴をこぼしたのを光る君は伝え聞きなさって、

「その人近いのが嬉しいじゃないか。女っ気のない外泊は薄気味悪い感じがするだろうから。

私の寝所はその女たちの几帳の後ろでいいぞ」とおっしゃると、

従者も「なるほど、悪くないお泊まり先で」といって、使いを走らせました。

光る君は、あまり大げさにならないようにと急いでお出かけになり、大臣殿にも行く先を申し上げなさいません。

お供にも、親しい者だけを引き連れて方違え先である紀伊の守の邸にいらっしゃったのでした。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


光源氏は義父に気を遣っています。

ご内室に対して悪いな、という気持ちでないところがさすが(?)です。笑

そういうわけで、紀伊の守の所へ行くわけですが、

光源氏にとっては好都合なことに、そこには伊予の守家に仕える女房たちが来ている、と。笑

 

「女の几帳の後ろに寝かせてくれ」ってセリフにちょっと笑いました。笑

『シティーハンター』の冴場獠みたいですよね。(そもそも似たもの同士?)

獠が女性の家に泊めてもらうときに、

「お布団はひとつでいいよ♪」

と言って香に100tハンマーで殴られていたのを覚えています。

確か、『シティーハンター’91』だったかな。

 

まあそんな話はともかく、この宿泊が空蝉うつせみちゃんとの出会いを引き起こすのです。

では今回はこの辺で。

 

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