源氏物語~桐壺~(21)


帝からのお召しの言葉を勾当内侍が言付けると、大臣は参上なさいました。

帝からの、光る君の冠親をつとめた大臣への褒美の品は、上の命婦が取り次いでお与えになりました。

褒美は、白い大袿にお召し物を一揃いと、例の通りでございました。

御盃を酌み交わしなさる時に、

いときなき初元結に永き世をちぎる心は結びこめつや
〔幼い光る君の初めての髻を結う時に、そなたの娘と永い契りをかわすようにと願いをしっかり結びこんだか〕

帝のお心遣いに大臣は思わずはっとなさるのでした。

むすびつる心も深きもとゆひに濃き紫の色しあせずは
〔しっかりと結んだ元結いの濃紫色の紐の色さえ褪せない限りは、契りを交わす心も深いはずです〕

と返歌を申し上げて、紫宸殿に続く長い廊下を下り、深々と拝礼なさいました。

そうして左馬寮の御馬と蔵人所の鷹を頂戴なさるのでした。

階段の下でも、儀式に参加した親王や上達部が連なり、それぞれの身分に応じて褒美を頂戴なさいます。

その日、帝の御前の折櫃の小料理や籠に入れた果物などは、

光る君を高麗の人相見のもとにお連れした右大弁が拝命して準備いたしました。

お握りや、褒美を入れた唐櫃などは狭苦しく感じるほどに用意され、その数は春宮の元服の儀の時以上で、

かえって光る君の元服の儀の方がこの上もなく盛大に執り行われたのでございます。

※雰囲気を重んじた現代語訳となっております。


前回の元服の儀の続きです。

今回、光源氏はあまり関係なく、帝と左大臣が中心です。

そして久々に出てきた右大弁。

とにかく盛大に行われた、と最後に強調されました。

ここで「これにつけても弘徽殿の女御様は面白くない気持ちでいらいらし・・・」と続いても良さそうですが。笑

実際にはなく、この後は光源氏と左大臣の娘(葵の上)の話へと繋がっていきます。

ようやく、あと2回で「桐壺」を終えます。

長いよ~。笑

 

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